2017年7月12日水曜日

けんびき焼き(田植えが終わったころ食べていた)

代満て※1の頃食べていたという、腱引き焼きを作ってみました。
準備するもの
我が家の茗荷
茗荷の葉・・・10枚
 あん・・・・・50g(10個に丸める)
 小麦粉・・・・150g
 熱湯・・・・・70cc
下ごしらえ
 茗荷の葉を洗い、汚れを落としておく










作り方
 ①小麦粉に熱湯を少しづつ加え、耳たぶの固さにこねる。(生地に少し砂糖を入れると、冷めても柔らかいそうです)


②生地を手で茗荷の葉に伸ばしあんを乗せる
③葉で包む
④ホットプレートに油をひき、両面を焼く
昔は、ホットプレートではなく、「ほうろく」で焼いたそうです。
出来立ての「けんびき焼き」
仏壇にもお供えしました
※1 代満てとは、
田植えが終わった後、そのお祝いに集まって、飲食を共にする祝い事。しろみての「しろ」は田植え、「みて」は終わったの意味。自家の田植えの終わりをこじろみて
(小代満)、集落全体の田植えの終わりをしとみて(代満)というそうです(鳥取県)

鳥取県日吉津村では、
「日吉津村農業委員会から代満日(しろみて)についてお知らせします。
農家の皆さん、春の農作業お疲れ様でした。
村内の田を見渡すと、ほとんどの農家で田植えが終わった様子です。
そこで今年の代満日を、6月18日(木)としますので、
この日は農作業をやめ、ゆっくりと休養を取られますようお知らせします。」(平成27年)という放送が村内でされるようです。

 そういえば両親が稲を作っていた頃(25,6年前)、「今日は代満てで、○○さんたちと日帰り温泉に行ってくるは(^^♪」とか「近所の数軒で代満てじゃ」なんて聞いたことがありました。
子どもの頃は、機械もなく全部が手作業で、子どもでも労動力の一人として手伝っていました。田んぼの中で、ヒルに足をかまれた思い出が・・・"(-""-)"。母が嫁に来た頃は、新見(田植えの時期が早い)の方の方だったと思うのですが、数名泊まり込みで実家の田植えの手伝い(出稼ぎ?)に(1,2日)来てくださっていました。我が家が終わると隣の○○さんちに1,2日、つぎは△△さんち、と近隣の田植えの手伝いです。朝は6時頃には田んぼで苗を取り、朝ごはんがすんだら田植えと、薄暗くなるまでとてもよく働いて下さる方々だったそうです。小学校に上がったころには頼まなくなったようです。

けんびき焼き(腱引き焼き)
  この地域では以前(戦後)、小麦の栽培をしていました。「けんびき焼き」は、6、7月の新しい小麦の収穫ができる頃、同じく収穫期を迎える蚕豆(=そら豆。夏豆とも言う)であんこ(餡)にしたものをいれ、茗荷の葉に包んで焼きます。茗荷の葉で包むことで香りも楽しめる田舎の素朴なおやつです。この「けんびき焼き」の「けんびき」とは「疲れ」という古語で、麦の取り入れに田植えにと農繁期が続き、農作業の疲れを癒す代満てのおやつとして各家庭で作っていました。その当時、おかあさんが作ってくれるのをそばでわくわくしながら待って食べた思い出のある方もおられるでしょうね。

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